朝の玄関で、小さな水筒にお茶を注ぎます。麦茶の季節が終わると、家にあるほうじ茶を入れてもよいか迷います。焙じた茶色の液は、見た目にはやさしそうです。けれど、茶の葉から淹れたお茶なのです。

水筒のふたを閉める前に、少しだけ手が止まります。

年齢の線は、引かれていない

子どもの手帳には、月齢ごとの目盛りがていねいに並んでいます。ほうじ茶を何歳から飲めるかには、その目盛りがないのです。

離乳の手引きは、離乳を始める前の赤ちゃんには、母乳や育児用ミルクがいちばんの栄養源だとしています。手引きが月齢ごとに語るのは食事の進め方で、お茶の始めどきではありません。海外の機関の目安も、体重あたりや年齢の帯ごとの上限という形で置かれています。

手帳の目盛りを指でたどっても、資料で言えるのは、ここまでです。かわりに使えるのは、体重のものさしでしょう。

体重計の目盛りで考える

お風呂あがりに、体重計の数字をのぞきこみます。子どもの目安は、体重が軽いほど小さくなるのです。

欧州の機関は、子どもと青少年に、体重あたりの一日の目安を置いています。国の睡眠の手引きは、それより少ない量でも、眠りに影響したという報告があると書いています。カナダの機関は、年齢の帯ごとに一日の量を示しています。

手引きは、子どもは大人より少ない量で影響を受けるので、注意が必要だとしています。つぎは、湯のみ一杯の量でしょう。

小さな湯のみに、どれだけ

食器棚の奥から、子ども用の小さな湯のみを出します。一杯の量は、お茶の濃さに湯のみの量を掛ければ出せるのです。

国の成分表の淹れ方なら、ほうじ茶の液は煎茶と同じ濃さです。体重を掛けて出した一日の目安と、一杯の量を並べれば、何杯ぶんかがわかります。計算の例は、記事の終わりにまとめてあります。

小さな湯のみの量も、測られているのは決まった条件で淹れた一杯だけです。飲みものごとのカフェインを並べた総覧は、ほうじ茶のカフェインはいつ・誰が気にする?にあります。

水筒の中身と、ほかの飲みもの

公園のベンチで、子どもが水筒のふたをひねります。目安の量には、ほうじ茶のほかの飲みものも入るのです。

国の睡眠の手引きは、子どもがお茶やコーヒーのほかに、コーラのような飲みものからもカフェインをとっていると書いています。チョコレートにも、カフェインはふくまれています。同じ手引きは、茶の葉を使わない麦茶を、置きかえの例に挙げています。

体質や持病のある子は、かかりつけの小児科医に相談するのが確かです。資料で言えるのは、目安の数字までです。麦茶とのちがいは、麦茶・そば茶・玄米茶の違いでも扱っています。数字と出典は、このあとに置いておきます。

数字でくわしく

離乳の手引き
こども家庭庁が掲載する「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月)です。離乳開始前の最適な栄養源を乳汁とし、開始前に果汁やイオン飲料を与える栄養学的な意義は認められないとしています。茶やカフェインについての記述はありません。
欧州食品安全機関
2015年の意見書で、子どもと青少年に体重1kgあたり1日3mgを提案しています。オーストリア保健・食品安全局(2017年)は、3〜10歳と10〜18歳で、この量を安全としています。どちらも内閣府食品安全委員会のファクトシートが紹介しています。
カナダ保健省
4〜6歳45mg、7〜9歳62.5mg、10〜12歳85mg、13歳以上は体重1kgあたり2.5mgです。標準体重にもとづく1日の値で、厚生労働省のQ&Aと食品安全委員会のファクトシートが紹介しています。
眠りへの影響
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、こどもは1日あたり1〜3mg/kg以上で睡眠に悪影響が生じると報告されている、としています。体重30kgの児童なら30〜90mgと例示しています。
一杯の計算
ほうじ茶の浸出液は100mLあたり20mgです(茶葉15g・90℃の湯650mL・0.5分)。150mLで約30mgです〔計算値〕。
体重の例
体重15kgの子に1日3mg/kgを当てると45mgで、150mLの湯のみ1杯半にあたります〔計算値〕。カナダ保健省の4〜6歳の45mgとも同じ量です。
置きかえの例
睡眠ガイドは、茶類のカフェインは茶葉(チャノキ)にふくまれるとし、茶葉を使わない麦茶やそば茶などへの置きかえを挙げています。