レジに持っていく前の数秒で、袋から読めることはかぎられています。封は切れず、中の茶葉も見えないことが多いのです。見えたとしても、淹れたときの色まではわかりません。手がかりは、印刷された言葉だけです。

この文章では、袋の言葉から読めるものと、読めないものを順に分けていきます。

指先で、袋の文字をなぞる

袋を手に取ると、表には大きな字で名前と売り文句が並んでいます。読めるのは、葉か茎か、店が何を売りにしているか、店の中でどちら寄りかまでなのです。

焙じた温度と時間、それに湯の色は、袋の上からは読めません。しかも、深さの言葉がある袋のほうが少ないのです。棚を数えた別の話では、深さを書く店は四つに一つにも届きませんでした。

資料で言えるのは、袋が答えてくれる範囲はせまい、というところまでです。表のつぎは、裏の小さな表でしょう。

裏の表が答えるのは、茶の種類と産地

裏返すと、細い罫線の表に、小さな字が詰まっています。その表が答えるのは、茶の種類と産地までなのです。

業界の決まりは、書かなければならない項目も、書いてよい項目も定めています。けれど、焙煎の深さを書く欄は、そのどちらにもありません。中身に近づける欄は、名前と原材料と産地くらいです。

資料で言えるのは、深さが裏の表の外にある、ということまでです。裏のつぎは、表の深さの言葉をどう読むかでしょう。