本や記事に、こう書いてあることがあります。ほうじ茶が渋くないのは、焙煎の熱で渋みの成分が壊れるから。一文で片づいていて、読むほうも納得します。ここまでの数字を持って、その一文の前に立ってみます。

「渋くない」の説明は、どこまでが測定なのか

入れ替わったところまでです。入れ替わった先が、ほうじ茶の濃さで渋いのか渋くないのかを確かめた研究は、今回当たった範囲にはありませんでした。

茶の濃さで舌にかけられたのは、エピ型の4種

茶の浸出液に含まれる濃さで味を測られていたのは、エピ型の4種でした。焙煎で増える側では、カテキン(C)の苦味と渋味を、訓練を受けた18名の評価者が時間を追って測った1999年の研究がありますが、茶を対象にした研究ではありません。ほうじ茶の浸出液に近い濃さと条件で、増える側の4成分を確かめた研究は、今回当たった範囲にはありませんでした。そのうえ2022年の総説は、渋味の受容機構については不明な点が多い、その味は苦味と物理的な刺激の混合味であると考えられている、と書いています。感覚そのものが、まだ足場の途中にあります。