食事に合わせて烏龍茶を選ぶとき、袋に焙煎の話が書かれていることがあります。農林水産省のサイトは烏龍茶について「半発酵と焙煎の程度によって多種多様な味や香りが楽しめる」と書いています。発酵だけでなく、焙煎も味と香りを決める要素として並んでいます。

工程の後ろのほうで、もう一度火を入れる

台湾の農業部茶及飲料作物改良場の資料は、焙煎(烘焙)の働きを四つ挙げています。水分をもう一度取り除くこと、貯蔵期限を延ばすこと、初製茶の青臭さや雑味を直すこと、その茶らしい焙煎の香りと風味を与えることです。

同じ改良場が紹介する凍頂烏龍茶の工程は、日光萎凋、室内萎凋と攪拌、殺青、初乾、団揉、乾燥、そして焙煎と続きます。伊藤園も烏龍茶の乾燥について、じっくり乾かして「多少の火香を付けます」と説明しています。

焙煎の強さが、お茶の区分になる

改良場の分類では、球形の烏龍茶が清香型と焙香型に分けられています。清香型の代表は高山烏龍茶、焙香型には凍頂烏龍茶や鉄観音茶が入ります。焙煎の有無と強さが、そのままお茶の区分になっています。

ただし分類と店先は、いつも同じではありません。お茶の専門店HOJOは、安渓鉄観音はもともと炭で焙じるのが基本だったが、近ごろは火の入っていない清香型に人気があると書いています。公的な分類が焙香型に置く茶でも、火を入れないつくり方が増えています。

ほうじ茶と重なるところ、違うところ

同じ農林水産省のページは、ほうじ茶を「煎茶や番茶を焙じたもので香ばしさがある」と説明しています。火を入れて香りを変えるという点では、烏龍茶の焙煎と重なります。

違うのは、焙煎が置かれる場所です。ほうじ茶は、仕上がった煎茶や番茶を焙じて別のお茶にします。烏龍茶の焙煎は製造工程の一部で、発酵の程度と組み合わさって味を決めます。袋に焙煎の話があれば、清香型と焙香型のどちらに近いお茶なのかを探してみてください。