茶を焙じることと、豆を焙煎すること。似ているように見えますが、同じ基準で比べられるのかは別の問題です。ここではコーヒー側の説明を読んで、何が書かれているかを確かめます。比較表を作る記事ではありません。比べたい気持ちは、いったん置いておきます。まずはコーヒー側の記述だけを読みます。

機種の説明書が示す、参考の時間

富士珈機の焙煎機、Coffee Discoveryの取扱説明書には、目安の時間が載っています。浅煎りが約10分から13分、中煎りが約11分から14分、深煎りが約12分から15分です。三段階の時間が、少し重なりながら並んでいるところが分かります。幅を持たせた書き方です。

そして説明書には、あくまでも参考データですと添えられています。この一行が大事です。機種と条件が決まったうえでの参考値なので、コーヒー全般の標準としても、他の機械の設定値としても使えません。参考値を標準として持ち出さないようにしておきます。機種の条件がついた数字です。

ハゼという音

イワタニは、ハゼについて、加熱によって生豆に化学変化が起き膨張する際に聞こえる音のことだと説明しています。1ハゼ、2ハゼの順番で発生するとされています。音で工程の進みを知る、という目印です。膨らむときに鳴る、という説明になっています。順番のほうにも名前が付いています。

富士珈機の説明書にも、ある程度までガスが溜まり豆が膨らむと、パチパチと豆が弾ける音が聞こえてくると書かれています。膨らむから鳴る。豆の中で何が起きているかが、音になって外に出てくるわけです。二つの出典が、同じ現象を少し別の言い方で説明しています。読み合わせると分かりやすいです。

茶と同じ土俵では比べられない

では茶にもハゼがあるのか。今回の出典では、茶のハゼの有無を直接説明する一次資料は取得できませんでした。茶では起きない、とも、茶にも同じものがある、とも書けません。ここは空けておきます。空けておいたところは、資料が出るまでそのまま残します。推測では埋めません。

温度についても、茶とコーヒーを同じ測定基準で比べた資料が見つかりませんでした。予熱の温度、ドラム内壁の温度、茶や豆の表面の温度は、それぞれ別のものです。並べると比べた気になりますが、そこは我慢します。比べるなら、まず物差しをそろえるところからです。今はそれが用意できていません。