店の棚に、口をかたく閉じたほうじ茶の袋が並んでいます。「丁寧に焙煎」という言葉だけでは、その中の仕事までは見えないのです。

この文章では、火の茶房、日本茶茶茶、小林商店の説明を、量、火、冷まし方、包み方の順にたどります。

少しずつ、芯まで

茎のほうじ茶の袋を開けると、軽い茎がさらさらと音を立てます。専門店の仕事は、焙じたところで終わらないのです。

火の茶房は、少量ずつ丁寧に焙じると説明しています。日本茶茶茶の「凛茶」も、遠赤外線で少しずつ焙じると紹介されています。こちらの「少量」は、茎の芯まで同じように火を通すための量なのです。

量の扱いは重なりますが、それだけで二つの製法が同じとは言えません。資料で言えるのは、それぞれが何のためにその量を選んだかまでです。つぎは、火から下ろしたあとの時間でしょう。

火から下ろした、そのあとに

火から下ろした茶葉には、まだ熱がこもっています。焙じたあとにも、冷まして包む仕事が続くのです。

火の茶房は、焼き上がった茶葉をすぐ冷蔵庫へ移して、粗熱を取ると説明しています。まだ温かいうちに、気密性の高い専用の袋へ入れて閉じるそうです。焙じる、冷ます、閉じる、までがひと続きなのです。

三軒が書いている工程は、一部しか重なっていません。資料で言えるのは書かれた工程までで、書かれていない工程を「していない」とは読めないのです。つぎは、手で炒るという仕事でしょう。