袋の表に「強火」とあると、濃い色のお茶を思いうかべます。けれど、強い火を語る古い茶どころにも、茎のお茶を浅く焙じた品があるのです。
この文章では、火の入れ方と仕上がりと原料を分けて、袋の言葉を読みなおします。
袋に並んだ、三つの言葉
袋を裏返すと、「強火」「浅炒り」「かりがね」と言葉が並んでいます。強い火は焙じ方の操作で、深煎りは仕上がりを指すのです。
かりがねは原料の名前で、袋の言葉はこの三つの層に分かれます。強い火で焙じると説明する茶商も、その火を扱うには高い技がいると書いています。強い火なら誰でも同じ香りになる、という話ではないのです。
火の強さが書いてあっても、原料や火の進め方まで同じとはかぎりません。資料で言えるのは、言葉の層を分けて読めるところまでです。つぎは、同じ原料を二つに焙じ分けた品でしょう。
同じ茎を、ふた通りに
細い茎のお茶が、二つの袋に分けて詰められています。同じ原料でも、焙じ方で行き先は二つに分かれるのです。
かりがねは、玉露や煎茶を作るときに選り分けられる茎のお茶です。ある茶商は、それをじっくり焙じて、濃い色と強い焙煎香の品に仕上げています。同じ店は、より弱い火でゆっくり浅く焙じ、焙じた香りと茎の香りをともに楽しむ品も出しています。
ちがうのは、原料の香りと焙じた香りを、どう感じてほしいかなのです。資料で言えるのは、それぞれの店の説明までで、土地全体の焙じ方を表すものではありません。焙じ分けのわけは、火が香りをどう変えるかにあるのでしょう。
