台所のこんろの上に、素焼きの焙烙がのっています。持ち手は筒になっていて、手に取ると思ったより軽いのです。焙烙を使う日と、フライパンを使う日では、火の入れ方も変わります。
この文章では、茶商が公開している手順から、焙烙とフライパンの二つの方法を、冷ますところまで順に見ていきます。
焙烙か、フライパンか
焙烙を火にかざすと、底の土がじんわりと温まってきます。家で焙じる方法は、焙烙かフライパンかの二つに分かれるのです。
焙烙は、持ち手を持ち、中に入れたものを火にかざして炒る道具です。むらなく炒るには、手首を軸に振り、中身を転がすように動かします。フライパンなら、中火で乾かし、いったん冷ましてから強火で炒ります。
どちらか一方を選び、最後まで同じ手順をたどります。置いて待つ道具ではないので、茶葉を入れる前に、持ち方と振り方をつかんでおきます。道具のつぎは、焙烙の四つの手順でしょう。
焙烙の、四つの手順
焙烙が温まると、手のひらにほのかな熱が届きます。焙烙の手順は四つで、終わりは時計ではなく、煙と茶葉の色で決めるのです。
ある茶園の手順では、まず中火で焙烙を30秒から1分温めます。茶葉を5から10グラム入れ、焦がさないように動かします。煙が出てきたら、仕上がりが近い合図です。好みの炒り具合になったら、持ち手の筒から茶葉を出します。
予熱の時間は、焙じ終わりの時間ではありません。道具も火の強さも家ごとにちがうので、そのまま移せる設定ではないのです。資料で言えるのは、この焙烙の手順の目安までです。焙烙のつぎは、フライパンの二段階でしょう。

